#2 霜の降りたコップ
まずは,具体的な例から考えてみよう。なお,ここで紹介する例は,戸田山(2005: 101-2)を参考にして,若干修正したものである。
湿度の高い部屋の中にアイスコーヒーが入った透明なガラスコップがあり,その外側に霜が降りて曇っているとしよう。では,なぜこのコップは曇っているのだろうか?
この現象を説明するためには,おそらく次のような事柄を説明の中に加える必要があるだろう。
- 部屋の湿度が高い。
- コップには冷たいコーヒーが入っている。
- 気温によって飽和水蒸気量(一定量の空気のなかに最大限含むことのできる水蒸気の量)が変化する。
上記の事柄を組み込んで説明するとおおよそ次のようになる。
部屋の湿度が高いということは,この室内の気温は高い。一方でコップには冷たいコーヒーが入っているので,コップ周辺の空気は冷やされて気温が低くなっている。一般的に,気温が低いと飽和水蒸気量は小さくなるため,コップ周辺の空気が液体の水になってコップの外側に水滴となって付着する。
(つづく)
[参考文献]
- 戸田山和久,2005,『科学哲学の冒険――サイエンスの目的と方法をさぐる』NHK出版.
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