#1 大学生の常識を覆す試み
私が勤めている大学では,1年生向けに少人数の授業がある。大学に入学したばかりの学生に,これから4年間,大学で学んでいくために必要となることがらについて理解,修得してもらうことが,この授業の主な目的である。
私もこの科目の1つのクラスを担当しているが,おそらく他の教員とは少し違ったことを行っているように思う。多くの教員は,文献や資料の探し方やその読み方,整理の仕方,プレゼンの仕方,議論の仕方などを教えているはずである。それに対して私は,それらのテクニック的なことを修得する以前の問題として,そもそも「大学での学びで大切なこととは何であるのか」という点について理解してもらうことを目的にして授業を進めている。
ただし,単に「大切なことは○○と△△と××である」と伝えて終わり,では,腹落ちして理解してもらえない。そこで,「伏線回収授業」とでも呼べるような構成で授業を進めている。つまり,学生の思考にあえて乗っかったうえで,彼ら/彼女らと対話をしながら,半期の全14回を使ってゆっくりと進めていき,最終回で大切なポイントをきちんと理解してもらえるように授業を構成している。
このエッセイでは,全14回の授業を再現する形で,「大学での本質的な学び」についての私の考え方を述べていきたい。
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